SEO対策を外注したいけれど、業界の全体像が分からない...
B2Bデジタルプロダクト企業のマーケティング担当者や、SEO業界へのキャリアチェンジを検討している方にとって、SEO業界の全体像を把握することは重要な課題です。「SEO会社の選び方は?」「市場規模はどれくらい?」「生成AIでSEOは終わるの?」といった疑問を持つ方も多いでしょう。
実は、SEO業界は国内で800億円以上、グローバルで669.7億ドル(2024年)の市場規模を持ち、年平均成長率9%で継続的に成長しています。生成AIの登場にもかかわらず、9割以上の企業がSEO施策を実施しており、人材の市場価値も上昇傾向にあります。
この記事では、SEO業界の市場規模・主要プレイヤー・最新トレンド・キャリア展望を包括的に解説します。
この記事のポイント:
- SEO業界は国内800億円以上、グローバル669.7億ドルの市場規模で年平均成長率9%
- 生成AIを活用したコンテンツ制作が50.5%の企業で実施され、業界標準になりつつある
- 主要SEO会社はIrep、CyberAgent、Septeni、Faber Company、WillGate、Nyle、Speeeなど110社以上
- SEO対策の年間予算は300万円以上が約60%、1,000万円以上が22.5%と投資額が増加傾向
- 「SEOは終わった」説が3年ごとに繰り返されるが、実際には市場は成長を続けている
1. なぜ今SEO業界の全体像を把握すべきなのか
(1) 9割以上の企業がSEO施策を実施している現状
SEO施策は9割以上の企業が実施しており、デジタルマーケティングにおいて不可欠な施策となっています。特にB2Bデジタルプロダクト企業では、顧客がオンラインで情報収集する傾向が強いため、検索エンジン経由の流入が売上に直結します。
SEO施策の実施状況:
- 9割以上の企業がSEO施策を実施
- 内製・外注のハイブリッド体制が6割以上
- 年間予算300万円以上が約60%
(2) 外注先選定とキャリア選択の両方に役立つ業界理解
SEO業界の全体像を把握することで、以下の2つのメリットがあります:
外注先選定におけるメリット:
- SEO会社のビジネスモデルと費用相場を理解できる
- 自社に適したサービス(コンサル・ツール・コンテンツ制作等)を選定できる
- 業界標準と比較して適正な費用かを判断できる
キャリア選択におけるメリット:
- SEO業界の将来性と市場価値を評価できる
- 主要プレイヤーとビジネスモデルを把握し、転職先の候補を絞り込める
- 業界のトレンド(AI活用等)を理解し、必要なスキルを特定できる
2. SEO業界の基礎知識:構造・主要プレイヤー・ビジネスモデル
(1) SEO業界の定義と範囲
SEO業界とは、検索エンジン最適化(SEO)に関連するサービス・ツール・コンサルティングを提供する企業群を指します。
SEO業界の範囲:
- SEOコンサルティング会社
- SEOツールベンダー(キーワード調査・順位計測等)
- コンテンツ制作会社
- Webマーケティング会社(SEO部門を含む)
- 業界メディア・情報サイト
(2) 主要プレイヤー:SEOコンサル会社・ツールベンダー・メディア
SEO業界の主要プレイヤーは以下のように分類されます:
大手SEOコンサルティング会社:
- Irep、CyberAgent、Septeni(広告代理店系)
- Faber Company、WillGate(SEO専業)
- Nyle、Speee(Webマーケティング複合)
SEOツールベンダー:
- Ahrefs、SEMrush(グローバル)
- Keywordmap、SEARCH WRITE(国内)
業界メディア:
- SEO HACKS、Web担当者Forum、ferret等
(3) 代表的なSEO会社110社の業界カオスマップ
2024年度の「SEO業界カオスマップ」では、110社以上のSEO関連企業が以下のカテゴリに分類されています:
カテゴリ分類:
- SEOコンサルティング
- コンテンツSEO
- テクニカルSEO
- ローカルSEO
- SEOツール
- 記事制作・ライティング
このマップを参照することで、自社のニーズに合ったSEO会社を効率的に探すことができます。
(4) ビジネスモデル:コンサルティング・ツール販売・コンテンツ制作
SEO業界の主要なビジネスモデルは以下の3つです:
1. コンサルティング型:
- 月額固定費(数十万円〜数百万円)
- 戦略立案・サイト分析・改善提案
- 継続契約が中心
2. ツール販売型:
- SaaS型の月額課金(数万円〜数十万円)
- キーワード調査・順位計測・競合分析等の機能提供
- セルフサービスで利用
3. コンテンツ制作型:
- 記事単価(1本数万円〜数十万円)
- SEO記事・コラム・ホワイトペーパー制作
- 成果報酬型もあり
3. SEO業界の市場規模と成長性:国内800億円・グローバル669.7億ドル
(1) 国内市場規模:2018年500億円→2024年800億円以上(年平均成長率9%)
国内のSEO業界は継続的に成長しており、2018年の500億円から2024年には800億円以上に拡大しています。
国内市場の推移:
- 2018年:約500億円
- 2024年:800億円以上(推定)
- 年平均成長率:約9%
出典:複数の市場調査レポートを基にした推定値
(2) グローバル市場:2024年669.7億ドル→2029年983.8億ドル予測
グローバルSEO市場も急成長しており、2024年の669.7億ドルから2029年には983.8億ドルに達する予測です。
グローバル市場の予測:
- 2024年:669.7億ドル
- 2029年:983.8億ドル
- 年平均成長率:約8%
出典:市場調査レポート(2024年時点の予測)
(3) 企業のSEO投資動向:年間予算300万円以上が60%
企業のSEO投資は年々増加しており、本格的な予算配分が進んでいます。
年間SEO予算の分布(2024年調査):
- 300万円以上:約60%
- 1,000万円以上:22.5%
- 100万円未満:約20%
SEOへの投資額が増加している背景には、デジタルマーケティングの重要性の高まりと、SEO施策の効果が数値で測定しやすくなったことがあります。
(4) 「SEOは終わった」説が3年ごとに繰り返される背景と実態
「SEOは終わった」という声は約3年ごとに繰り返されますが、実際には市場は成長を続けています。
「SEOは終わった」説が出るタイミング:
- Googleの大規模アルゴリズム更新時
- 新しい検索技術の登場時(音声検索、生成AI等)
- SNSや新しいプラットフォームの台頭時
実態:
- 市場規模は年平均9%で成長
- SEO施策を実施する企業は9割以上
- 検索エンジンは依然としてWebトラフィックの主要な流入源
SEOの手法や重要性は変化しますが、「検索エンジン経由の流入」という価値は継続しており、業界自体は成長を続けています。
4. 2024-2025年のSEO業界トレンド:AI活用とGoogleアップデート
(1) 生成AIを活用したコンテンツ制作が50.5%の企業で実施
2024年の大きなトレンドは生成AI(ChatGPT等)を活用したコンテンツ制作です。
生成AI活用の実態(2024年調査):
- 50.5%の企業が生成AIを活用
- 主な用途:コンテンツアイデア出し、下書き作成、リライト
- 完全自動化ではなく、人間のチェック・編集が前提
注意点:
- 生成AIのみで作成したコンテンツは品質が低い場合がある
- Googleは「有用で高品質なコンテンツ」を評価するため、AI生成の有無ではなく品質を重視
(2) 2024年のGoogleコアアップデート4回実施とアルゴリズム変動
2024年は特にアルゴリズム変動が激しい年でした。
2024年のGoogleコアアップデート:
- 3月・8月・11月・12月に実施(年4回)
- 一部のサイトで順位が大きく変動
- 低品質コンテンツ・スパム的手法への取り締まり強化
影響:
- 質の低いコンテンツサイトが順位低下
- E-E-A-Tを重視したサイトが上位に
(3) E-E-A-Tが重要評価基準として定着
E-E-A-T(Experience・Expertise・Authoritativeness・Trustworthiness)がGoogleの重要な評価基準として定着しました。
E-E-A-Tの4要素:
- Experience(経験): 実際の経験に基づくコンテンツ
- Expertise(専門性): 専門知識を持つ執筆者
- Authoritativeness(権威性): 業界での認知度・信頼性
- Trustworthiness(信頼性): 正確な情報・透明性
対策:
- 執筆者プロフィールの明記
- 一次情報・実体験の盛り込み
- 引用元の明示
(4) Google内部文書流出(2,500ページ)とランキング要素の明確化
2024年5月、Googleの内部文書(約2,500ページ)が流出し、ランキング要素の詳細が明らかになりました。
明らかになった主要なランキング要素:
- クリック率(CTR)の重要性
- ユーザー行動(滞在時間、直帰率等)の影響
- ブランド認知度の評価
この文書により、これまで推測されていた多くのランキング要素が裏付けられました。
(5) SGE(Search Generative Experience)による検索体験の変化
GoogleはSGE(Search Generative Experience)を導入し、生成AIを活用した検索結果を提供し始めています。
SGEの特徴:
- 検索結果の上部にAI生成の要約を表示
- 従来の検索結果と併用
- ユーザーの検索体験が変化
SEOへの影響:
- クリック率の変化(要約で満足するユーザーが増える可能性)
- より詳細で専門的なコンテンツの需要増加
- ブランド認知の重要性向上
5. SEO業界のキャリア展望と外注先選定の実務ポイント
(1) SEO人材の市場価値上昇と人材不足の現状
SEO業界は慢性的な人材不足であり、市場価値は上昇傾向にあります。
SEO人材の需給:
- SEOスペシャリストの需要が高まっている
- 特にテクニカルSEO・コンテンツSEOの両方ができる人材が不足
- フリーランス・副業市場でも高単価
キャリアパス:
- SEOコンサルタント(月給30万円〜80万円)
- SEOマネージャー(月給50万円〜100万円)
- フリーランスSEOコンサル(時給5,000円〜2万円)
(2) 外注先選定の基準:費用相場(月額数万円〜数百万円)と選定ポイント
SEO対策を外注する際の費用相場と選定ポイントを理解しましょう。
費用相場:
- SEOコンサルティング:月額10万円〜100万円
- コンテンツ制作:1記事5万円〜30万円
- SEOツール:月額1万円〜50万円
選定ポイント:
- 実績・事例の確認(同業種・同規模の成功事例)
- 提供サービスの範囲(戦略立案のみか、実装支援も含むか)
- 報告・レポートの頻度と内容
- 契約期間と解約条件
(3) 内製・外注ハイブリッド体制が6割以上を占める理由
多くの企業が内製と外注のハイブリッド体制を採用しています。
ハイブリッド体制の内訳:
- 戦略立案・サイト分析:外注
- コンテンツ制作:内製または外注(記事により分担)
- テクニカルSEO:外注
- 効果測定・レポート:内製
メリット:
- コスト最適化(全て外注するより安価)
- 社内にSEOノウハウが蓄積
- 柔軟な対応が可能
(4) SEOに適した業界:クレジットカード・人材・教育など
SEO施策が特に有効な業界は以下の通りです:
SEOに適した業界:
- クレジットカード・金融(比較検索が多い)
- 人材・教育(情報収集がオンライン中心)
- B2B SaaS(企業がオンラインで情報収集)
- 不動産(物件検索がオンライン中心)
- 医療・健康(ただしYMYL領域のため専門性が必須)
まとめ:SEO業界の今後と企業が取るべき戦略
SEO業界は国内800億円以上、グローバル669.7億ドルの市場規模を持ち、年平均成長率9%で成長を続けています。生成AIの登場により「SEOは終わった」という声もありますが、実際には9割以上の企業がSEO施策を実施しており、投資額も増加傾向にあります。
2024-2025年のトレンドは、生成AI活用(50.5%の企業が実施)、E-E-A-T重視、Googleコアアップデート年4回、SGEによる検索体験の変化です。外注先を選定する際は、費用相場(月額数万円〜数百万円)と実績を確認し、内製・外注のハイブリッド体制を検討しましょう。
次のアクション:
- SEO業界カオスマップで主要プレイヤーを確認する
- 自社のSEO予算と目的を明確にする
- 複数のSEO会社に相見積もりを依頼する
- 内製・外注のハイブリッド体制を検討する
- 最新のGoogleアップデート情報を定期的にチェックする
SEO業界は変化が激しい分野ですが、検索エンジン経由の流入は依然として重要なトラフィックソースであり、今後も市場は成長を続けると考えられます。
